近年の不妊治療の進歩には目覚ましいものがあります。体外受精法(IVF)や顕微授精法(ICSI)など不妊症治療の技術がどんどん進歩する中でこのような治療をうける不妊症患者の方々に対する心身のケアもさらに重要になってきています。
一般的に不妊症でお悩みの方々は、精神的サポートが必要な事が多く、また結婚年齢の高齢化とともに不妊症治療を希望される方々の中には自ら職場で中心的役割を担っている場合も多く認められます。したがって、家庭だけでなく職場での軋轢をも十分考慮する必要があります。  みなさんは、不妊症治療の分野において注目されている、不妊カウンセラーやIVFコーディネーターという言葉を聞いたことがあるでしょうか。さまざまな悩みを抱える患者の精神的サポートシステムとしての重要な役割を担っています。そこで、今回は不妊症治療をうける方々に対する看護面からのアプローチの一助となるように「不妊患者の心理」や「カウンセリングについて」などをお話していきたいと思います。
生殖可能な年齢において、正常な夫婦生活を営んでいるにも関わらず、結婚後2年以上妊娠しない状態を不妊症と診断します。一般的には結婚後1年間で約8割の、2年間で約9割の夫婦が妊娠すると言われています。従来は、不妊治療の対象として女性側のみが重視される傾向がありましたが、最近では、不妊治療の進歩にともなって男性側の不妊原因についてもクローズアップされるようになり、女性側因子が約4割、男性側因子が約4割あるとされ、残りの2割は原因不明の機能性不妊と考えられています。
不妊治療はその原因により治療法は様々です。そこで原因を突き止めるための検査を行ってから、個人にあうと思われる治療法を選択することとなります。具体的な診断手順は、まず基礎体温測定を習慣付け、排卵日を予測して適切な性交の時期を指導します。次のステップとしてクロミフェン療法やhCG療法などを行います。それでも妊娠が成立しなければ、排卵誘発剤であるhMG-hCG療法に移行したり、同時に人工授精(AIH)を併用していきます。上記の治療が無効な場合、次の手段として体外受精(IVF)を行います。また各検査の段階で原因によってはすぐに体外受精による治療となるケースもあります。
体外受精は今でこそマスコミにも取り上げられ、周知されるようになり沢山の妊娠、出産例を得る事ができるようになりましたが、このような中で、体外受精(IVF)でも妊娠しない方々もいらっしゃることも事実です。このような方々をケアしていくことは、ただ励まし、前向きに治療に取り組んでいけるようにするだけでは、かえって追いつめることになりかねません。このような状況を十分に把握してカウンセリングを行うことにより、御自身が自己解決できるようにお手伝い出来ればと考えています。
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