カウンセラーの役割と言っても正式な『カウンセラー』の資格を持っていなくとも不妊治療に携わるものとして、常に話を十分に聞く心構えを持っていれば、きちんとした『カウンセリング』とまではいかなくても、時間はかかるかもしれませんが信頼関係を築き、治療を受けている人々の心を癒していくことができるのではないかと考えます。
これらのことをふまえた上で接していけば、『カウンセラー』ではなくても『カウンセラー的』な役割として十分その役割を担っていくことができます。それには皆さまの話を聞くことが大切であると考えます。
私たちの施設は、主に体外受精法(IVF)や顕微授精法(ICSI)などの生殖補助技術(ART)を中心とした不妊症治療が主流です。採卵から胚移植におけるまで、すべて外来管理で入院施設はありません。
また人員的にも一人一人の方々と接する時間にはやはり限界があります。そのような時に、私共スタッフ側から何かもっと積極的にアプローチする方法はないか、何か皆様の声を聞くことはできないかと考え、外来待合室の洗面所と、患者用更衣室の前に『おしゃべりノート』を設置しましたところ、徐々に様々な方々の声が寄せられるようになり、誰にも言えない治療のつらさ、いろいろな御質問・疑問から妊娠の喜びまで。時にはかなりシビアな御意見もあります。時々、私共スタッフからのコメントを添えるようにしていますが、今では患者様同志の会話の場となり、お互い励まし合ったりされています。
不妊治療における専門家として援助していくことも大切ですが、受診される方々にとっては、やはり同じ悩みを持つもの同志で色々と心の内を開いていくことも精神安定剤の一つのようです。私達にとっても受診される方々の様々な心理を知る機会となり、とても有意義なものとなっています。今後はそのノートをもとに皆様の心理状況についても今後のサポートにつなげていくかが課題と考えております。
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