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| 女性の社会進出による晩婚化や生活様式の変化により最近の高齢女性における不妊症治療の問題は避けて通ることはできません。とくに、30才後半から40才にかけて挙児希望を訴えられて不妊症を専門に扱う施設を訪れる御夫婦が増えていることは確実です。 |
| 私どもの施設を受診される方々で40才以上の方々の平均不妊期間は12.7±4.8年となっておりこの間に様々な治療をお受けになっていたものと考えられます。40才以上の方々の体外受精の成績は妊娠症例が28名、うち、流産が17名と半数以上が残念ながら流産となっています。 妊娠されて分娩まで継続された方々の平均年令は40.4±0.8才、流産群:42.2±2.7才、妊娠が得られなかった群:42.2±2.2才と妊娠継続が順調に進む方々は比較的若い方々に多く体外受精成功例が認められています。一方、40才以上の方々の不妊期間に関しては、妊娠されて分娩まで継続された方々の平均不妊期間は10.0±5.0年、流産群:11.9±5.2年、妊娠が得られなかった群:13.1±4.7年と3つのグループの間にに大きな差は認めれれておりません。 また体外受精の施行回数は妊娠されて分娩まで継続された方々は平均2.2±1.2回、流産群:5.6±3.2回、妊娠が得られなかった群:4.3±3.7回と、妊娠継続群が比較的短期間に妊娠成立にこぎ着けていると考えられます。このことから、高齢者程、早い時期から積極的な治療に移行する必要があるものと考えられます。 |
| ところで、体外受精を中心とした生殖医療において高齢者に比較的多く認められる異常としては卵巣の反応性の低下(low responder)や卵細胞の質の低下による受精障害や受精異常、あるいは子宮内膜症や子宮筋腫の合併頻度の増加などが考えられます。 |
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| 1)卵巣の反応性の低下や卵細胞の質の低下による受精障害 |
卵巣の反応性の低下をみる指標としては(過)排卵刺激に反応する発育卵胞数や採卵される卵子数の減少があげられます。一般的に行われている体外受精における過排卵刺激はGnRHa+hMGによるものが多く3個以上の卵胞発育が確認されることが普通です。しかし年令とともにlow responderと呼ばれる排卵刺激に反応しがたい症例が増えるとともに、さらに、GnRHa+hMGによる卵巣刺激がくり返されるにつれて発育卵胞数は減少することが言われています。私どもが行っている自然周期法による卵巣刺激法によっても採卵卵細胞数は34才までは平均3.3個程度ですが35〜39才になると2.7個と若干減少し、40才以上は平均1.2個程度となってしまいます。 |
| 2)Empty Follicle Syndrome(EFS) |
EFSとは超音波検査においては卵巣に十分な大きさの卵胞は認められるもののhCGに切り替えて35〜36時間後に卵胞液を吸引してもその中から得られた卵胞液中に卵細胞が見当たらない状態をいい、体外受精においては採卵周期の7〜12%程度に認められると言われています。このEFSの発生率をみると高齢者に繰り返して起こることが多いといわれ、35〜39才で24%、40才以上で57%程度に認めれらるとも言われています。この原因としては加齢による卵細胞自身の変性や退行などが考えられています。ただ、このようなEFSは体外受精の前の周期から卵胞発育のコントロールを十分行うことにより予防することが可能です。 |
| 3)高齢女性生殖医療の現況 |
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| 4)未受精卵の体外培養(IVM) |
最近では、加齢による卵細胞の老化を防ぐ方法には有効な方法があるのかということが注目されています。そのひとつが、卵巣の小さな卵胞から排卵前の未熟な卵細胞を取り出しそのまま体外で培養する方法です。この方法ですと加齢の影響を受けた卵巣の中で成熟してゆく過程においておこる卵細胞の老化を防ぐことも可能になり、体外で成熟をまって受精させ、分割卵になったところで凍結し、必要な時に解凍して子宮に戻することも可能になります。加齢の影響を強く受けた”卵巣内”で成熟するという卵細胞にとって条件の悪い環境をも改善することが可能となるかもしれません。 |
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