不妊症治療特に体外受精に排卵誘発剤の使用が必要なことはご存じとは思いますが、このような治療が普及するにつれて治療の結果としての多胎妊娠が、自然妊娠による多胎妊娠の頻度に比べて著しく増加していることも事実です。不妊治療法別に見るとクロミッドによる排卵誘発法で約5%の多胎妊娠率、hMG注射による排卵誘発法で約21%の多胎妊娠率となっております。なお、自然妊娠における多胎妊娠の割合は0.6〜1%前後と言われています。一方、体外受精での多胎妊娠率は、以前は妊娠率を向上させるために多数の胚細胞が移植されていましたが、多胎妊娠が多くなるため、最近は移植胚数を制限する事が一般的になっています。この結果、体外受精の多胎妊娠率は約15%程度に落ちついているのが現状です。また移植胚数が3個までにすることが浸透しているため要胎(4つ子)以上の多胎妊娠はhMG注射による排卵誘発法による不妊治療に比べてかなり低く押さえる事が可能となっています。

品胎以上の多胎妊娠は妊娠母体への影響として妊娠中毒症、切迫早産などの合併症を必ずといってよいほど惹き起こし、出産前からの長期間の入院を余儀なくされますし、出生児への影響としては未熟児、低体重児、呼吸障害などを伴い保育器での長期間の管理の必要性が非常に多くの赤ちゃんに認められます。 我々の施設では妊娠後の母児合併症を出来るだけ少なくするために、体外受精において排卵誘発法や卵細胞培養法を工夫し移植する胚細胞数を平均1.5個と少なくするするにもかかわらず平均25%前後の高い妊娠率が得られています。この結果、妊娠例のうち多胎妊娠率が12.3%(内訳は双胎77.8% 品胎22.2%)と体外受精における一般的な多胎妊娠率に比べ低く押さえることが可能となっています。

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